いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。
(テサロニケの信徒への手紙Ⅰ5章16~18節)
みなさまはこの今月の聖書の言葉を読んでどう感じるでしょうか。「いつも喜んでる?」―嫌なこともいっぱいあるのに。「絶えず祈る?」―そんな気持ちになんてなれない。「どんなことにも感謝?」―そんなの無理だよ。このように思う人は多いのではないでしょうか。
ですから、この言葉を残したパウロという人物について少し触れたいと思います。パウロは十二弟子とは少し異なった弟子です。パウロは最初キリスト教を迫害する者でしたが、劇的な回心によってキリスト教徒へ転じます。パウロはその後おだやかに暮らしたかというと、むしろ逆で、大変な苦労に見舞われたようです。官憲から鞭打たれたり、船が難破したりといった困難の中で宣教を続けました。さて、パウロの言う喜びや感謝は単なるポジティブシンキングのなのでしょうか。そうではないと思います。困難の中であっても、神さまはいつもこの私に目をとめていてくださる、私を決して見捨てることはない、という希望に基づいた喜びや感謝です。
今この世界を、この社会を見ると本当に悲しい事や憤りを覚える事がたくさんあります。私自身思わず、子どもたちに「こうしてはいけない」、「こうなってはいけない」といったお話をしたくなります。しかし、キリスト教保育において伝えるべきことは、神さまに愛されているという希望に基づいた喜びや感謝なのだ、と今月の聖書の言葉から私自身が思わされました。
園長:山田原野