荒尾に赴任する前、わたしは宮城県仙台にある被災者支援センター・エマオというところに遣わされていました。そこには、東日本大震災で被災された方たちのために、全国・海外から累計9000人以上ものボランティアが来てくれました。その中にはキリスト教主義の大学や高校から来てくれた学生たち(九州からも!)が沢山いました。
仙台に来るために、時間とお金を使って、何よりも被災者のためにと集まったボランティアたちです。けれども興味深いことに、一緒にボランティアに行くと、ワーク先がきれいになっていくことはもちろんですが、それよりも、ボランティアたちの方に少しずつ変化が生まれていったのです。津波で被災した農家さんや、ご家族・財産を失った方たちとの、温かく深い出会いを通して学んで来るのです。
「それでも生きる」こと、「命を育む」尊さを。
そこから福祉・医療・保育・国際協力・教会の現場で働くことを決めた青年たちがいました。出会いを通して、与えるはずだったボランティアたちの方が、逆に多くのものを与えられて帰って来たのです。
これは、家庭や園でも同じではないでしょうか。絵本『ちょっとだけ』の作者・瀧村有子さんが次のように言われています。
「子どもたちがちいさい頃は、いつも、わたしが子どもを抱っこしているつもりでした。でも実は、自分が抱きしめられていたんだ、と気づいたのです」
子どもたち一人一人は神さまがそれぞれのご家庭に下さった、かけがえのない<いのち>です。その大切な<いのち>と、荒尾めぐみ幼稚園で共に園生活が出来ていることを、神さまに心から感謝しています。何よりも子どもたちの笑顔・遊び・生活すべてから、与えられている多くの恵みに感謝しています。
2025年も、陽だまりのような園生活となりますように。