「人はパンだけで生きるものではない」というイエスさまの言葉は、有名な聖句の一つで、様々な解釈が可能です。けれどもイエスさまは、「人は神の言葉で生きる」と、言いたかったようです。では、園生活においては、これは何を意味するのでしょうか?
先日、キリスト教保育連盟の研修で、「『こどもまんなか』と『いのちまんなか』をつなぐ保育へ」という言葉を、講師の大豆生田啓友先生(玉川大学)からはじめて学びました。
「こどもまんなか」ということは、子どもの主体性を尊重する保育のことです。「主体性」というと、何でもすぐに答えたり質問したりする「積極性」を思い浮かべるかもしれません。あるいは、自分自身で選び行動するという「自主性」を思い浮かべるかもしれません。実は「子どもの主体性」と言ったとき意味するのは、「積極性」や「自主性」という意味ではなく、「子どもたち一人ひとりの主体(その子らしさ)を尊重する」ことなのです。ですから、子どもの主体性は「育てる」ものではなく、「尊重する」ものなのです。
そのためには、まずわたし達大人(保育者)がその子の好きなことや「よさ」(主体)をどんどん見つけていきたいと願っています。そして、その好き(ワクワク)が、もっと面白くなり広がっていくために環境を整えていきたいと願っています。つまり、①ワクワクを見つけ→②環境を通して広げる、この2つのステップこそが「こどもまんなか」を作り上げていくのです。
神さまは一人ひとりにたくさんの「よき賜物」をプレゼントしてくれています。特に「優しさ」はすべての子どもに共通して与えられています。この優しさを見つけ、単に自分の周りの人たちだけでなく、この地域社会・日本・世界・地球に生きる<いのち>へと、「いのちまんなか」に広がっていくことを願っています。
「こどもまんなか」そして「いのちまんなか」の園生活になっていくことが、イエスさまからのメッセージです。