姉妹園の霊泉幼稚園(山鹿)では、園舎の老朽化に伴い、法人として建て替えることを決議し、準備を始めています。定員35名という荒尾めぐみ幼稚園よりもさらに小さい霊泉らしく、「とまり木のような園舎~そこから羽ばたく~」をテーマに掲げて、温かい木造園舎にしたいと話し合っています。わたし達の思いを受け止めて下さる設計社を探し、ようやく象設計集団との出会いが与えられました。
先日、象設計集団が設計した保育所をいくつか訪問したのですが、特に印象に残ったのが東京にある「うらら保育園」です。
「保育園は子どもの遊園地ではない。子どもと大人がともに生活をつくっていく場所です。女の子はピンクが好き、男の子は黒や青が好き、子どもはぬいぐるみのウサギやクマのキャラクターが好きというのは大人の幻想、コマーシャリズムに踊らされているにすぎません。日本人がよしとしてきた生活文化を大切にする空間で、子どもたちを育てましょう」(『11の子どもの家 象の保育園・幼稚園・こども園』p.40)
という初代園長が願ったとおり、コンクリ建てにも関わらず、中は畳や障子・襖そして鴨居が張り巡らされ、木造の和風家屋に入ったかのような感覚でした。「子だくさんの家族のように暮らす」ことを大切にされ、3・4・5歳児は「〇〇家」という3つの異年齢グループに分かれて過ごしていました。長方形の保育机はまったくなく、代わりに丸いちゃぶ台が至るところに置かれ、子どもたちが思い思いに遊んでいました。食事も竹籠に入れて運び、お櫃から子ども自らがご飯をよそう姿がありました。
築25年経っている園舎でしたが、古さはまったく感じることなく、むしろゆったりとした時間の流れの中に溶け込むような、不思議な感覚を覚えました。
めぐみっこたちの園での暮らしが、神さまの愛のもとで、さらに充実したものとなるように、一つでも活かしていきたいと願っています。