今月、荒尾教会は創立75周年を迎えます。
牧師ではなく一人の信徒であった宮崎貞子先生(当時・荒尾高校英語教師)がご自宅(現・宮崎兄弟資料館)を開放し友人・知人を集め家庭集会を開いたのが、1946年11月のことでした。
いまの土地に教会堂・園舎を建てるために、宮崎先生はじめ川崎嗣夫・初代牧師や信徒の方たちが走り回り、献金を集めました。幼稚園を開園するために荒尾市や議会にも働きかけたそうです。
1952年、念願の会堂が建ち、幼稚園が始まった時の喜びはいかほどであったでしょうか。
なぜ先達たちが「荒尾めぐみ幼稚園」と名付けたのか、今となってははっきり分かりませんが、「めぐみ」とは他でもない、神さまからの恵みのことです。
小さな小さな教会が、この荒尾の地で、子どもたち一人ひとりが神さまに愛されている<いのち>である恵みを、分かち合っていこうとしたのです。そのために、懸命な祈りと奉仕があったこと、そしていまも教会の方たちが祈り支えて下さっていることを覚えていただければと願っています。
今月の聖句で語られる「恵み」は、まさに弱さや小ささ、欠けの中に注がれる神さまの愛のことです。小ささ、弱さは、人間社会では評価されませんが、神さまはむしろそこにこそ、十分な恵みを下さっているのです。そして、小さな子どもたちから、私たち大人も神さまからの恵みをいただいていることに気付かされています。
「子どもたちがちいさい頃は、いつもわたしが子どもを抱っこしているつもりでした。でも、実は自分が抱きしめられていたんだ、と気づいたのです」(瀧村有子・絵本作家)