今朝プールの準備をしていると、ウッドデッキに置いている虫かごの前で、りす組のAくんとBくんが、何か言い合っています。見るとAくんは虫かごを離さず、Bくんは虫かごを指差して何か言っています。
二人とも、私の方を見て「何とかして!」と目で訴えかけてきます。少し悩んだ私は、あえて見守ることにしました。二人とも叩く・蹴るなどにはならず、言葉や態度で気持ちを伝え合えると思ったからです。そうこうしている内に、他の園児が登園してきて、私は挨拶に向かいました。ふと気づくと、二人のケンカは収まり、それぞれが伸び伸びと遊んでいました。
先日、広渡純子先生(九州ルーテル学院大学長)の講演『キリスト教保育が大切にしてきたこと』を聴くことが出来ました。広渡先生が次のように言われていたのが胸に響きました。
「みんな仲良く」「みんなお友達」の呪縛がある。大人は「ぶつかり合い」を避けがちだが、子どもたちは「ぶつかり合い」を通して多様な他者と出会い、同時にありのままの自分自身と出会う。
Q:ぶつかり合いの前に止めてしまってはいないか?
Q:「ごめんなさい」と言えば、この場を切り抜けられると思わせてしまってはいないか?
保育者は、子どものぶつかり合いとその時に起こる様々な感情を受けとめ見守り支えていく。この経験を重ねながら、子どもたちはありのままの自分を受けとめ、多様な他者も受け入れていくことが出来るようになっていく。本当の意味での「友だち」になっていく。
この葛藤を支え深めることこそ、キリスト教保育の本領を発揮する場。
葛藤を支え、多様な他者との関係を作っていくめぐみ幼稚園でありたいと願っています。