保護者面談をする中で、この一年の育ち、そしてこれまでの育ちを、保護者の皆さんと分かち合う機会が与えられています。1年前、2年前…と遡れば遡るほど、子どもたち一人ひとりが大きく育っていることを実感しています。
けれども、一緒に日々生活していると、中々子どもの育ちに気付かないものではないでしょうか。育ちはポレポレ(スワヒリ語「ゆっくりゆっくり」)だからです。
園生活においても同様で、保護者面談は、わたし達教職員にとっても改めて育ちを沢山見つける素晴らしい機会になっています。共に喜び合いたいと願っています。
いよいよきりんさんの卒園が迫ってきました。今年度は雨天のため、小岱山登山が中止となり、とても残念でした(代わりにきりんさんは11月にハイキングへ行きました;)。
登山前の礼拝で読もうと思っていた絵本『ポレポレやまのぼり』では、はりねずみくん・ぞうくん・やぎくんの三人が大きな山を登っていきます。駆け出そうとするはりねずみくんに、さるおじさんが「ポレポレだぜ」と声をかけます。山登りが得意なやぎくんが、一番大荷物でポレポレ…。力持ちのぞうくんが荷物を持ってあげたりして、三人で励まし合いながら。頂上に着いた時の喜び、そしてやぎくんの大荷物からみんなに振る舞った美味しいスープ。一緒に食べてみたい!
「遅さ」や「弱さ」はマイナスとされ、どうしても効率性や速さばかりに目がいってしまう現代社会です。けれども、この三人は「ポレポレ(ゆっくり)」を喜びに変えていきました。「遅さ」・「弱さ」・「小ささ」は支え合いや分かち合いという恵みを生むのです。神さまはこの恵みにこそ目を注ぐ方なのです。
子どもたちの育ちは、ゆっくりです。けれども、ポレポレ一緒に歩んでいく先に、目には見えない大切なものが待っていることを信じ、ポレポレ(ゆっくりゆっくり)子どもたちと歩んでいきましょう。