神さまは一人ひとりの<いのち>をかけがえのないものとして造られ、祝福されています。体内の構造はDNAに至るまで精密かつ不思議なことがいっぱいあり、神さまの創造の神秘が人体にも満ちています。
脳科学において目ざましい発見が相次いでいますが、子どもの脳に関することで、驚いたことがありました。『子どもの脳を傷つける親たち』(友田明美著)によると、大人からマルトリートメント(虐待を含む不適切な行為)を受け続けた子どもたちの脳は物理的に傷つくことが、実証されたのです。つまり、外見は傷ついていないように見えたとしても、目には見えない脳が傷ついているのです。一度や二度では起きませんが、マルトリの頻度や強度が増したときに、脳の損傷が起こります。「その結果、学習意欲の低下や非行、こころの病に結びつく危険性がある」ことが分かっています。
どういったことがマルトリになるのか、下記リンク資料
https://marutori.jp/pdf/soron1_s.pdf
をご覧いただければと願っています。わたしも子育てにおいて、マルトリに近いことをしてしまったのではと反省しました。
人間は誰しも間違いを犯す存在です。子育てストレスによって思わず暴言を吐いたり、目先の用事に心を奪われたり、ついついネグレクトに近い状態になったりと、それと意識しないままマルトリをしてしまう可能性はどんな親にもあります。誰もが完璧ではないからこそ、子育てをしているお母さんやお父さんを孤立させず、周囲の多様な立場の人たちが進んで「おせっかい」を焼き、共に支え合っていける社会をつくることが大切だと考えています。(友田明美『キリスト教保育』2022年7月号)
園生活においてマルトリがないようにすることはもちろんです。同時に、各ご家庭でもマルトリが起こらないように、子育てを担う保護者の方たちが孤立しないように、園も共に支え合っていきたいと願っています。年2回の保護者面談や、年1回のクラス参観・保護者懇談、そして「めぐサポ」の活動なども、そのための「おせっかい」として続けていきたいと願っています。