園庭で外遊びをしていると、三輪車をめぐってうさぎ組の二人が取り合っていました。「これは僕が取っておいたんだよ」と言うMさんに、すでに乗っているKさんは頑なに断り続けます。静かなにらみ合いが続きます。
こういう時、保育者を含め私たち大人はついつい仲介に入りたがってしまいます。けれども今朝は、あえてそっと見守ることにしました。そこに暴力や暴言はなく、ただただ向き合う姿があったからです。
すると、Eさんがどこからかやってきて、Mさんの主張は正しいことを伝えました。今度は、Sさんがやってきて、二人の主張に耳を傾け、色々と提案します。それでも硬直状態が続きました。
他の子たちは、そんな二人はそっちのけで(?)思い思いの遊びを楽しんでいます。段々二人の場所が移動しつつも、解決しない様子。20分位、その状態が続きました。
9時になり、柵を移動し園庭を広げると、待っていましたとKさんは三輪車で走り始めました。そして、ふと見るとMさんも別の三輪車で走り始めました。
Kさんが「Mくんさっきはごめんね!」と大声で言うと、Mさんも「ううん。こっちもごめんね!」と答えます…。そのやり取りを見て、何とも嬉しくなりました。
相手を傷つけることなく、辛抱強く向き合い、それぞれが自分の気持に折り合いをつけること。対話する力、待つ力、心から謝る力が育っていることに気付かされました。
そして、今月の聖句にあるように、相手を思いやる気持ち(愛)があったからこそ、再び二人は絆を結ぶことが出来たのです。
子どもを信じて待つことを大切にしていきたいと願っています。